動物社会学的研究
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下線部をクリックすれば、当該論文の詳細情報がご覧になれます。 対象:パタスモンキー(Erythrocebus patas) パタスの群れ内個体間の親和的行動の分布を調べた。従来、ケージ飼育あるいは島に放され自由に遊動生活を行っているパタスについて、メスの順位や血縁がグルーミングや近接という親和的行動に影響を及ぼしていないという報告がなされていた(Kaplan
& Zucker, 1980)。しかしながら、カラマルエの野生群では、3メートル以内の近接、グルーミング、コンタクト・コール、同じ泊り木の利用という4つの親和的行動のいずれにおいても、多かれ少なかれ順位や血縁が影響を及ぼしているという結果が得られた(Nakagawa,
1992)(中川、2007)。 金華山のほか幾つかの個体群でしか知られていない抱擁行動の機能を調べた。主にはオトナメス間で起こり、グルーミングの中断、敵対的交渉、血縁にない個体間の接近の直後に生起し、抱擁後は速やかにグルーミングに移行したことから、緊張緩和の機能があると考えられた(Shimooka & Nakagawa, 2014)。 対象:チンパンジー(Pan troglodytes) 神戸市立王子動物園に飼育されている1群のチンパンジーを対象に、挨拶行動の頻度に及ぼす親密度と離別時間長の影響を調べた。その結果、離別時間長の影響は認められなかったものの、第一に「離れていること」が、第二に近接度で測定した親密度が挨拶行動の頻度を高めることが明らかとなった(髭ほか、2003)。 |
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中川尚史サル学研究室
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