(2001年9月発足、2022年1月、京都大学霊長類研究所から移管)
伊谷純一郎先生(1926−2001)が、2001年8月19日にご逝去されました。享年75歳です。伊谷先生は、故今西錦司先生(1902−1992)とともに、日本の霊長類学を創ってこられた方です。1967年の霊長類研究所の創設にも多大なご尽力をいただきました。1984年には、日本人で初めて、人類学のノーベル賞とも
いえるハックスリー賞を受賞なさいました。 2001年6月の京都大学総合博物館の新たな開館にあたり、「霊長類学コーナー 」が設置されました。その展示の計画段階で、伊谷先生から多方面にわたるご協力を 仰ぐことができました。ご自身の手でまとめられた資料は以下のとおりです。 1)文書ファイル(8冊、霊長類の野外調査のリストや霊長類研究所の創設の経過を示す文書など)、 2)アルバム貼付のプリント写真46点(その一枚づつに丁寧な解説が付されています)、 3)カード式に分類されたプリント写真58点(その一枚づつのカードに写真とともに解説が付されています)、 4)スライドで提供された写真および図108点(これもその一枚づつに丁寧な解説が付されています)、 5)野生ニホンザルの調査ならびにアフリカでの野生大型類人猿の調査のときのフィールドノート12点(これも一冊づつに短い解説が付されています)。 以上の資料が、霊長類研究所の展示委員・茂原信生をとおして、霊長類研究所に寄託されました。「霊長類学コーナー」の展示等に活用するようにとのご指示でした。 今にして思えば、これは、最後の力をふりしぼるようにして伊谷先生がわれわれ後輩に託された、「日本の霊長類学史」といえる貴重な資料です。そこで、ご遺族のご理解のもと、学長裁量経費の援助を得て上記の資料をとりまとめ活用する作業に着手しています。 このたび上記資料のうちの2)−5)、すなわちプリントとスライドとして寄託された画像資料およびフィルードノートについて、「伊谷純一郎画像アーカイブ」としてネット上で公開いたします。なお解説文は、用字・用語を含め、伊谷先生ご自身が手書きで遺してくださったものを、そっくりそのまま再現しています。したがって、フィールドノートについては、その外観と、解説文で指示された当該ページのみを画像アーカイヴとして公開いたします。なお写真をクリックすると、拡大表示します。右上の矢印で移動してください。 (2001年10月1日、京都大学霊長類研究所 広報委員会記) |