(演習のねらい、進め方、評価方法等)
研究の目的を定めてデータを収集し、分析して得られた結果から、先行研究も参考にして結論を導き出す。そして、口頭で発表し、さらには論文(レポート)にまとめるという、看護研究とも共通する研究のプロセスを学習してもらうのが、本演習のねらいです。ただし、本学において、上述の領域で本演習を遂行するにはかなりの困難を伴います。例えば、動物の行動に関するデータを収集するといっても、皆さんがかけることのできる時間はたかが知れているでしょう。野生の動物を扱うにはとても時間がありません。かといって学内で動物を飼育する設備も十分ではありません。せいぜい、動物園や水族館での観察になるでしょうか?ですから、文献研究もよしとします。ただし、本研究分野のすぐれた研究論文の多くは英語で書かれていますから、特に文献研究の場合は、英語で書かれた多くの論文を読破する覚悟が必要です。以上のような制約や要求される能力を覚悟の上で、私の演習を履修して下さい。
本演習のねらいが研究のプロセスを学習すること、また上述のような制約が多いことを鑑み、内容的にはレベルの高い論文は求めません。ですが、1月末頃(予定)をめどに、体裁上は整った原稿用紙10枚程度のレポートは提出してもらいます(ただし、抄録締め切りは12月20日)。また、レポート提出前に研究成果を口頭で発表してもらいます。それ以外にも、随時、研究の軌道修正のために、進行状況の報告をしてもらうことはもちろんのことです。
口頭発表と論文が主たる評価対象となりますが、進行状況の報告を怠れば減点の対象となります。
参考のために、これまで私が担当した学生のテーマを以下に列記しておきます(詳しくは、「看護研究演習抄録集」をご覧下さい)。
「飼育下のキンシコウの毛づくろい行動における互恵性の認識」(行動観察)
「鯨類における乳母行動」(文献研究)
「飼育下におけるチンパンジーの挨拶行動について」(行動観察)
「同性愛の進化生物学的研究」(文献研究)