中川尚史中川尚史 “ふつう”のサル(の)学研究室

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解説:Nakagawa N. 2013. Chlolocebus tantalus, In: Butyinski, T.M., Kingdon, J., Kalina, J., eds. Mammals of Africa, vol. II, Primates, Bloomsbury Publising, London.

(要旨と解説)

 本稿は、6巻から構成されるアフリカの哺乳類図鑑(The Mammals of Africa)の第2巻Primatesに所収されるタンタルスモンキー(Chlolobebus tantalus)の解説です。私のところに原稿依頼が来たのが、手紙の日付が正しいとすれば1999年11月。最初は、Academic Pressから出版される予定になっていました。マイケル・ハフマンさんと嶋田誠さんに草稿をみてもらってから、初稿を提出したのが2002年1月.その後、2002年9月に分布図の初稿を送っています。ここまではわりと順調に進んでいたようには見えましたが、その後、忘れた頃に改稿要請が届く感じになって、進んでいるのか進んでいないのか微妙な感じになりました。その過程で出版社がUniversity of California Pressに、そして最終的にはBloomsbury Publishingに変わっていき、遅延のひとつの大きな要因が出版社の変更があったようです。「ようです」とあいまいに書きましたが、編者のButynskiさんはその経緯の説明のメールを下さった記憶があります。
さて、経緯はともかく、小学校4年からアフリカの哺乳類に魅せられ、図鑑を読み漁っていた私としては、アフリカの哺乳類図鑑、しかも英語版のそれの執筆陣に名前を連ねることができたのは、たいへん光栄なことで、心から喜んでいます。しかし、欲を言えば、私の主要研究対象であったパタスモンキーでなかったのが残念でした。パタスモンキーは、ケニアで私の少しあとから私と同様、パタスモンキーとサバンナモンキー(タンタルスモンキーや東アフリカのベルベットモンキーを含めた総称。ひとつの種で、それぞれを亜種と位置付ける考え方もある)の比較研究を開始したLyne Isbellさんが書いています。彼女は大変優れた研究者で、私がボーッとしているうちに先にいい論文を大量に発表した人ですから、やむを得ないことではありますが・・・。

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