中川尚史中川尚史 “ふつう”のサル(の)学研究室

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ご挨拶

中川尚史 “ふつう”のサル(の)学研究室

本サイトは、中川尚史(なかがわなおふみ)の1大学人としての研究、教育・啓蒙活動をご紹介するHPです。

周知の通り、現在、大学には独立法人化の波が押し寄せています。また、同時に、大学教員の任期制の導入も進行しつつあります。つまり、大学教員は大学という組織に永久的に守られる保証もなく、さらには組織そのものもその地位が保証されることのない時代が到来しつつあるわけです。

私はこれまで長らく「採食速度」(単位時間当たりの採食量、摂取エネルギー・栄養量)を独自のツールとして、主にニホンザルの採食生態、パタスモンキーとサバンナモンキーの比較採食生態学的研究を行ってきました。その後、これまで培ってきた素養をベースに生態学的要因が霊長類の社会に及ぼす影響を探る社会生態学的研究に研究関心がシフトし、現在では、他大学を含めた多くの研究者と一緒にニホンザル種内の性行動、社会行動の種内変異を、環境や遺伝子との関連で調べる研究プロジェクトを進行中です。具体的には、抱擁行動の有無、ならびに抱擁の型の地域変異を環境でも遺伝子でも説明できない文化的変異と解釈する一方で、1回の交尾に要するマウンティングの回数や時間長の地域変異が環境適応で説明できること、社会の持つ寛容性の地域変異が攻撃性と関わる遺伝子と関連があることが分かりつつあります。また、ヒト属の進化の舞台であったアフリカのサバンナに住むパタスモンキーの生態研究から当時の人類に起こった幾つかの事象を探ったり、文献調査によりヒトの父系社会の系譜を探る試みも並行して行っています。2015年8月1日より人類進化論研究室の准教授から教授に昇進しました。これを機会に、研究上のキャッチフレーズを、人類に近縁な類人猿ではない『“ふつう”のサルから人類の起源と進化を語る』とするとともに、このHP上の研究室名も、「中川尚史 サル学研究室」から「中川尚史 “ふつう”のサル(の)学研究室」と名称を改めました。

私自身はずっと以前から、大学教員というのは「いわば個人商店主みたいなもんだ」と思っておりましたので、本HPでは研究室を会社とみなして作成しています。よって、通常の大学教員のHPとは一見趣が異なり、読みづらい点も多々あるとは存じますが、上述の意図を酌んでどうかご容赦頂きたく存じます。また、正直申し上げて、強引に会社と見なすことに伴う不適切な表現もあるとは思いますが、その点にはどうか目をつぶって頂けるようお願いいたします。

弊社の沿革(詳細はこちら

弊社は、1984年より5年間の準備期間を経て、1989年3月京都大学からの認可を受けて翌4月に設立されました。その後、2年間は日本学術振興会と契約を結び研究に重点を置いておりましたが、1991年4月よりシオン短期大学の傘下に入ったのをきっかけに、教育・啓蒙活動にも事業を拡大いたしました。 さらに1996年4月からは神戸市看護大学の設立を期にその傘下に入りましたが、2004年11月よりコングロマリット京都大学のフランチャイズ店となり、2015年8月からはおかげさまでこれまでの営業成績により優良店と認定されるに至り、店名を「中川尚史 “ふつう”のサル(の)学研究室」と改めました。これまでと変わらぬご愛顧をよろしくお願いします。なお、1995年には弊社の製品のひとつである『サルの食卓-採食生態学入門』に対し、日本霊長類学会学術奨励賞が授与されています。

弊社は現在、日本霊長類学会、日本動物行動学会、日本アフリカ学会、国際霊長類学会、日本人類学会進化人類学分科会、日本哺乳類学会の会員となっています。

新着情報

     分担者を務めた科研費基盤Sの最終成果公開シンポジウム『社会性の起原と進化:人類学と霊長類学の協働に基づく人類進化論の新展開』にて、モレでのパタスモンキーの話をします。NEW
   大学院生の半沢真帆さんと私で開拓したパタスモンキーの調査地モレにとって、初めての国際学術誌掲載論文が、オンライン公開されました。 NEW
   2023年8月6日から2023年10月4日にかけて、ガーナ・モレ国立公園でのパタスモンキーの調査に出かけました。3回目にして初めての雨期であり、交尾期の調査でした。NEW
   これまた案内が遅れましたが、日本哺乳類学会設立百周年記念としての同学会編『日本の哺乳類学百年のあゆみ』(2023年9月1日刊)にて、「動物社会の研究史」を分担執筆しました。NEW
   案内が遅くなりましたが、企画から出版まで会長であったため編集長を務めた日本霊長類学会編『霊長類学の百科時点』が丸善出版から刊行されました(2023年7月15日刊)。NEW
   公開シンポジウム「海外調査地開拓のすすめ」を企画しました。旅費の補助も出ますので、奮ってご参加ください。(盛会のうち終了しました)。報告書がダウンロードできますので、ご笑覧ください。
   2023年度一般社団法人ニホンザル管理協会によるウェビナー「ニホンザルの不思議な世界:おもろい行動と生態解説」を担当します。
    第39回日本霊長類学会代議員会が終了し、2期4年にわたる会長任期が終了しました。最後の挨拶が『霊長類研究』第39巻1号の巻頭言に収録されています。
   日本学術会議主催公開シンポジウム「ヒトとサルの進化から考える社会と多様性」で講演します。
日本モンキーセンター・2023年度モンキーキャンパス第1回で講演をしてきました。
  日本霊長類学会主催の「高宕山自然動物園再開記念観察会―サルの食事を観察しよう」に参加し、ミニ講演をしてきました。
   丹波の森ワイルドライフ講座(8月2~5日)に参加し、講演等をしてきました。
  第76回日本人類学会大会・第38回日本霊長類学会大会連合大会において人類学関連5学会合同公開シンポジウム『〇〇なヒトーヒトの呼称もそれぞれ』 を開催し、霊長類学会からは中川が「寛容なヒト」という演題で話をします。奮ってご参加ください。
   2022年度一般社団法人ニホンザル管理協会による2回のウェビナーのうち第1回「知られざるサルの話:生態編」(6月23日19:30~21:00)を担当します。
   科研費課題『ニホンザルの社会的慣習:インテンシヴ&エクステンシヴ・アプローチ』成果発表会と猿害現場実習の申し込みを開始しました。特に、若手ニホンザル研究者の皆さんのご参加を心待ちにしています。詳しくは右上をクリックして企画集会のページをご覧ください。(盛会のうち終了しました)
   『河合雅雄先生をしのぶ会』を開催いたします。日本霊長類学会会員の皆さまにおかれては、詳しくは会員ページをご覧ください。 (盛会のうち終了しました)
 河合雅雄先生の追悼文を日本霊長類霊長類学会長として書きました(霊長類研究、37(2): 207-210) NEW
 2期目に入った会長として1期目を振り返り2期目の抱負などを書いた巻頭言をガーナで書き上げました(霊長類研究、37(2): 1NEW
 コロナ禍でほぼ1年遅れましたが、大学院生の半沢真帆さんとガーナ国モレ国立公園でのパタスモンキーの調査を開始しました(~12月21日;中川、~2022年3月24日;半沢) NEW
 5月14日にご逝去された河合雅雄先生の追悼文を英文で書きました(Primates, 62(5): 677-678) NEW
 相変わらずのコロナ禍の最中、あえてコロナと離れて10年が経過した東日本大震災、そして四国初の大会を期して高知・大堂のサルに関する巻頭言を書いてみました(霊長類研究、37(1): 1-3)
 日本霊長類学会の準機関誌であるPrimatesに、会長として、そして編集委員として執筆したEditorialが早期公開されました。
 私としては、3つめの一般社団法人理事就任となりました(京都大学学術出版会)。
 「映像アーカイブを用いたニホンザルにおける稀にしか見られない行動に関するアンケート調査報告」が早期公開されました(霊長類研究, 37(1): 17-34)。
 2021年度一般社団法人ニホンザル管理協会による3回のウェビナーのうち第1回(5月28日19:00-20:30)を、人類進化論研究室OG清野未恵子さんと共に担当しました。
 日本学術会議特任連携会員に就任しました。「特任」というのは分科会(自然人類学)メンバーの推薦で入る特別枠的なもののようです。
 新型コロナ元年の中での一般社団法人日本霊長類学会元年における初のオンライン大会への歩みを感染者累積数グラフとともに図示した巻頭言を書いてみました(霊長類研究、36(2):1-2)
山極壽一先生(京大総長・人類進化論研究室前教授)のご退職記念オンラインシンポジウムを主催しました。全編You Tubeでご覧いただけますのでご視聴ください
 一般社団法人ニホンザル管理協会による3回のウェビナーのうち初日(8月20日19:30-21:00)を、人類進化論研究室OG清野未恵子さんと共に担当しました。87名もの方にご参加いただきありがとうございました。
一般社団法人として再スタートを切って初めての、そして新型コロナ感染拡大下での日本霊長類学会会長としての学会誌巻頭言が出版されました(霊長類研究、36(1): 1)
私が主催する『若手基礎科学研究者のためのニホンザル被害現場体験セミナー』が開催予定です(新型コロナ感染拡大のため、いったん中止としました)。
私としては初めての化石人類に関する論考が出版されました(「現生霊長類の群れが生存できる環境を推定するモデルからアルディピテクス・ラミダスの生息環境を探る」、『極限 人類社会の進化(河合香吏編)』
日本霊長学会長として初めて私が書いた学会誌巻頭言が出版されました(霊長類研究, 35(2): 36-71)
   京都大学理学研究科HPに研究紹介記事が掲載されました(http://www.sci.kyoto-u.ac.jp/ja/research/activities-bi/1909-naohuminakagawa.html
一般社団法人ニホンザル管理協会が設立され、代表理事に就任しました(https://sarukanri.jimdofree.com/
  日本霊長類学会第9代会長に就任しました(http://primate-society.com/about.html
私が分担者を務める文部科学省科学研究費補助金基盤研究(S)『社会性の起原と進化:人類学と霊長類学の協働に基づく人類進化理論の新開拓』(代表:河合香吏)が採択されました(https://sociality.aa-ken.jp/
私が参加した和歌山タイワンザルワーキンググループの活動が日本自然保護大賞に入選しました(https://www.nacsj.or.jp/award/result_2018.php#list へのリンク 
 コラム「スパイスが足りないアフリカ行」(『弘報』211:2)http://www.sci.kyoto-u.ac.jp/ja/about/publications/from-our-newsletter/211/column.html
第72回国立病院医学会特別講演「サルの行動から人類の起源と進化を語る」(2018年11月9日)http://www2.convention.co.jp/72nms/program/index.html
私が中心となって構築した生物科学専攻の3教室が運営する『生物学映像・画像アーカイブKyu Tube Bio』が公開されました。どうぞお楽しみください。 
ホームページを全面的にリニューアルしました。 

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