田島 知之(たじま ともゆき)

2018年3月更新

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【研究の関心】

オランウータンは東南アジアのジャングルに暮らす、ユニークな生態をもつ大型類人猿です。
成長するとオスは体重90キロもの巨体になるだけでなく、顔の形を大きく変化させます(写真左)。
こうしたオスは『フランジオス』と呼ばれます。
一方で、顔が小さく、体重もメスと同じ40キロほどしかないオスも存在し『アンフランジオス』と呼ばれます(写真中)。
このアンフランジオスは、周りのフランジオスに攻撃されないように成長を止めており、
将来強いオスが居なくなり、自分にチャンスが巡って来たらフランジオスへ変身するという極めて特殊な戦略をとっていると考えられています。

しかしアンフランジオスがどのようにメスへアプローチするのか、その戦略について調べています。
また、オスがメスへ食物を分け与える「食物分配行動」に注目し、繁殖に影響するのか
行動観察とDNA分析の2つのアプローチを用いて研究を進めてきました。
これまで、主にボルネオ島での野外調査をおこなってきました。
その他にも、国内の動物園から御協力を得て、飼育下での研究も進めています。

【研究テーマ】

【略歴】

【職歴】

  • 2015年8月-2016年1月 京都大学 高等教育開発推進センター・オフィスアシスタント
  • 2016年4月より 京都大学大学院理学研究科 教務補佐員
  • 【アウトリーチ活動】

    日本人による野生オランウータンの長期研究を支援する団体『日本オランウータン・リサーチセンター』の理事を務めております。

    日本オランウータン・リサーチセンター(通称「おらけん」)は、イベント・講演会・メディア取材を通じて野生オランウータンの生態についてわかりやすく、かつ科学的に正確な情報を社会に伝える目的で活動しています。

    おらけんのパンフレット
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    ★ また、野生オランウータンの基礎研究には皆さまからのご支援が必要です。

    どうかこちらもご覧ください。

    メールアドレス

    tajima (at) jinrui.zool.kyoto-u.ac.jp

    所属学会

  • 国際霊長類学会
  • 日本霊長類学会
  • 生態人類学会
  • 【研究業績】

    原著論文

  • Tajima T, Malim TP, Inoue E. "Reproductive success of two male morphs in a free ranging population of Bornean orangutans" Primates, 59: 127-133. 2018年

    半野生オランウータンを対象に糞からDNAを取り出して父親を調べました。多くの子の父親が優位な雄であるフランジ形態であった一方、劣位な雄であるアンフランジは初産の子の父親でした。

    フランジ雄は子育て経験のない未経産メスをあまり好まないため、そうしたメスと交尾することでアンフランジ雄は繁殖成功を得ていることをボルネオオランウータンで初めて報告しました。

    論文の全文を無料でご覧いただけます。 ※SharedItはSpringer公認サービスです

    ★ 研究の概要について大学からプレスリリースを出しました。


  • Tajima T, Kurotori H. "Nonaggressive interventions by third parties in conflicts among captive Bornean orangutans (Pongo pygmaeus)." Primates, 51: 179-182. 2010年

    論文の全文を無料でご覧いただけます。 ※SharedItはSpringer公認サービスです

    ★ この内容は海外メディアからも注目され 英国BBC、スペイン エル・ムント紙にて報道されました


  • 田島知之.「半野生オランウータンにおける食物分配行動」生態人類学会ニュースレター16号, 生態人類学会. pp.4-6. 2010年
  • 共著論文

  • 岩田有史, 田島知之.「贈与以前−ヒト科類人猿の食物分配−」 岸上伸啓(編)『贈与論再考−人間はなぜ他者に与えるのか』 臨川書店, 2016年8月2日.

    論文集の目次はコチラ

  • Kuze N, Dellatore D, Banes GL, Pratje P, Tajima T, Russon AE. 2012. Factors affecting reproduction in rehabilitant female orangutans: Young age at first birth and short inter-birth interval. Primates. 2012年

    論文の全文を無料でご覧いただけます。 ※SharedItはSpringer公認サービスです

  • その他

  • 田島知之.「人はなぜ他者に与えるのか: 霊長類研究というアプローチ」ER第4号 富士通総研 経済研究所, 2017年.

    こちらからお読みいただけます


  • 田島知之.「空飛ぶトカゲと森の人」In: 田島知之 他(著)『はじめてのフィールドワーク@アジア・アフリカの哺乳類編』東海大学出版部, 2016年.

    詳しくはコチラ


  • 田島 知之, 谷口 晴香, 山梨 裕美, 大谷 洋介, 小川 詩乃, 早川 卓志, 本郷 峻. 「第23回国際霊長類学会大会におけるStudent Affairs Workshopを終えて」. 霊長類研究, Vol. 27(1), pp.57-62 (2011) .
  • 国際学会・シンポジウム発表

    1. Tajima T, Malim TP, Bernard H. 2014年8月12日(口頭)"Difference in Mating and Reproductive Success Between Two Morphs of Sexually Mature Males in Free-ranging Male Bornean Orangutans." The 25th Congress of International Primatological Society. Hanoi, Vietnam.
    2. Tajima T, Malim TP. 2014年6月6日(ポスター)"Difference in Mating and Reproductive Success between Two Morphs of Sexually Mature Males in Free-ranging Bornean Orangutans." The 3rd International Seminar on Biodiversity and Evolution. Kyoto, Japan.
    3. Tajima T. 2013年6月11日(口頭)"Male Bimaturism and Reproductive Success of Bornean Orangutans" 2nd International Seminar of JSPS Core-to-Core Program "Tropical Biodiversity Conservation."
    4. Tajima T, Malim PT, Bernard H. 2012年9月(ポスター) "Mating Success of male Bornean Orangutans in Sepilok Orangutan Rehabilitation Centre, Sabah, Malaysia" JSPS Core-to-Core Program "The 1st International Seminar on Biodiversity and Evolution." Kyoto, Japan.
    5. Tajima T, . 2012年8月(ポスター) "Mating Success of Male Bornean Orangutans (Pongo pygmaeus) in Sepilok Orangutan Rehabilitation Centre, Sabah, Malaysia." The 24th Congress of International Primatologist Society. Cancun, Mexico.
    6. Tajima T, Malim PT, Bernard H, Inoue E. 2012年3月(ポスター) "Mating strategies and reproductive success of male Bornean orangutans(Pongo pygmaeus) in a semi-wild population" The 5th EAFES International Congress, Shiga, Japan.
    7. Tajima T. 2011年7月(ポスター) "Food transfer and peering behavior in rehabilitated Bornean orangutans in Sepilok Orangutan Rehabilitation Centre, Sabah, Malaysia." The 5th International Symposium of the Biodiversity and Evolution Global COE. Kyoto, Japan.
    8. Tajima T, Kurotori H, Takeda S. 2010年9月(口頭) "Non-aggressive interventions in conflicts among captive Bornean orangutans(Pongo pygmaeus)" The 23rd Congress of International Primatologist Society. Kyoto, Japan.
    9. Tajima T, Kurotori H, Takeda S. 2010年6月(ポスター) "Non-aggressive Intervention by third-parties in Conflicts among Captive Bornean Orangutans" The 4th International Symposium of the Biodiversity and Evolution Global COE. Kyoto, Japan.

    国内学会・シンポジウム・研究会発表

    1. Tajima T, Malim TP, Bernard H.2017年1月27日 "Patterns of Food Transfer in Free-ranging Orangutans" 第61回プリマーテス研究会。日本モンキーセンター(愛知県).
    2. 田島知之.2016年9月24日.(口頭)「空飛ぶトカゲと森の人」自由集会『熱帯アジアでフィールドワーク!〜マレーバク、ヤマアラシ、ジャコウネコ、オランウータンの謎に迫る』.日本哺乳類学会2016年度大会.筑波大学(茨城県).
    3. 田島知之.2016年5月29日.(口頭)「知のPCR − サル学の面白さ」.未来をおもしろく.国際高等研究所(京都府).
    4. 田島知之, ティトル・ピーター・マリム. 2015年7月15日.(ポスター)「半野生オランウータンにおける食物移動のパターン」第31回日本霊長類学会大会.京都大学(京都府).
    5. 田島知之.2014年7月5日.(ポスター)「オランウータンのアンフランジ雄における交尾成功と繁殖成功:フランジ雄との比較から」 第30回日本霊長類学会大会. 大阪科学技術センタービル(大阪府).
    6. 田島知之.2013年10月27日(口頭)「オランウータンにおける食物分配:目にみえないベギングに着目して」国立民族学博物館共同研究会『贈与論再考 ――「贈与」・「交換」・「分配」に関する学際的比較研究』. 国立民族学博物館(大阪府).
    7. 田島知之.2013年9月6日(口頭)「野生×飼育下: オランウータンの陰部腫脹を例にして」ミニシンポジウム『希少哺乳類の繁殖に関する共同研究の実践を目指して』第29回日本霊長類学会・日本哺乳類学会2013年度合同大会.岡山理科大学(岡山県).
    8. 田島知之.2013年9月7日(口頭)「半野生オランウータン における雄の二型成熟と繁殖成功」 第29回日本霊長類学会・日本哺乳類学会2013年度合同大会.岡山理科大学(岡山県).
    9. 田島知之.2013年3月6日(ポスター)「Who is the most successful sire?: Male reproductive success of Bornean orangutans in a semi-wild population」日本生態学会第60回大会. 静岡コンベンションセンター(静岡).
    10. 田島知之.2011年11月(ポスター)「オランウータンによる食物移動はどのような関係でおこなわれるか?」(ポスター) 第14回SAGAシンポジウム.熊本市動物園(熊本県).
    11. 田島知之.2008年11月(口頭)「多摩動物公園の飼育下オランウータンにおける攻撃と介入行動」第24回日本霊長類学会大会.明治学院大学(東京都).
    12. 田島知之・黒鳥英俊・武田庄平.2008年11月(ポスター)「多摩動物公園のオランウータンにおける相互交渉―第三者による介入について―」第11回SAGAシンポジウム.多摩動物公園(東京都).
    13. 田島知之 2008年3月(口頭)「半野生オランウータンにおける食物分配行動」第15回生態人類学会研究大会.(滋賀県)

    共同発表

    1. 久世濃子, 金森朝子, 山崎彩夏, 田島知之, Renata Mendonca, Henry Bernard, Titol Peter Malim, 河野礼子. 「野生ボルネオ・オランウータンの雌の妊娠と果実生産量の関係」動物園大学 in 犬山 日本モンキーセンター(愛知県)
    2. Kuze N, Tajima T, Kanamori T, Yamazaki S, Malim TP, Bernard H. 2014年8月12日. "Reproduction of Female Orangutans (Pongo pygmaeus) at Sepilok Orangutan Rehabilitation Center and Danum Valley Conservation Area." The 25th Congress of International Primatological Society. Hanoi, Vietnam.
    3. Kuze N, Dellatore D., Banes GL, Pratje P, Tajima T, Russon AE. Reproductive parameters of ex-captive female orangutans; High infant mortality rate and young age at first reproduction. Kyoto University International Symposium, Biodiversity, Zoos and Aquariums: “The message from animals”. A-25, p51 (2010 September, Nagoya, Japan)
    4. Kuze N, Dellatore D., Banes GL, Pratje P, Tajima T, Russon AE. Reproductive parameters of rehabilitant female orangutans (Pongo spp.); high infant mortality rate and young age at first reproduction. The 23rd Congress of the International Primatological Society. Primates Research vol.26 Supplement p306 #606 (2010 September, Kyoto, Japan)
    5. Kuze N, Tajima T, Alsysto S, Malim TP, Bernard H, Ambu LN. Reproductive parameters over a 42-year period of free-ranging female Borneo orangutans at Sepilok Orangutan Rehabilitation Centre. International Workshop on Orangutan Conservation. p 152-158 (2010 July, Bali, Indonesia)
    6. 花塚優貴・田島知之・久世濃子. 2008年7月「オランウータンにおける自発的な食物分配」第24回日本霊長類学会大会. 明治学院大学(東京都).

    受賞歴


  • 京都大学学際着想コンテスト2016 奨励賞受賞 『夜型の逆襲:夜の可能性を見直す』(申請20件の中から選出)
  • 日本生態学会 最優秀発表賞(行動)
  • アウトリーチ活動歴


    一般講演

    取材協力

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