ひとつの群れは、複数のオトナのオスと複数のオトナのメスとそのコドモ たちから構成されています。オスはメスよりも少ないのがふつうです。群れで生まれ たコドモのうち、メスは生涯を生まれた群れで過ごしますが、オスは性成熟に達する 4ー5歳ごろに生まれた群れを出ていってしまいます。こうして、群れの中には血縁関 係によって結ばれたメスとコドモたちと、血縁のつながりのないオスたちが一緒に暮 らすことになり、メスが家系をつなぎながら、群れは世代をこえて維持されていきま す。オスは、生まれた群れをでると、よその群れにはいりますが、移るのに時間がか かることがあるために、ある程度の間は群れとは離れて、ひとりで暮らしているサル がいます。ヒトリザルとか、ハナレザルとよばれているサルがオスばかりなのはこう いう理由です。また、群れの中にはメスのほうが数が多いのもこのためです。新しい 群れに入ったオスは、その群れからも3年ばかりするとでていってしまい、生涯にわ たっていくつもの群れを点々としていきます。
このような社会集団の仕組みを「母系的複雄複雌群」とよんでいます。世界のさまざまな地域のサルが詳しく調べられるようになって、ニホンザルの仲間やそのほかの多くのアジアやアフリカのサルも同じ様な社会をもっていることがわかってきました。ただし、どのようなサルでも同じというわけではありません。たとえば、チンパンジーではオスではなく、メスが集団を移ります。
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