中川尚史中川尚史 “ふつう”のサル(の)学研究室

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解説:Nakagawa, N.: Decisions on Time Allocation to Different Food Patches by Japanese Monkeys (Macaca fuscata). Primates, 1990, 31:459-468.

(要旨)

 最適パッチ利用のモデルの検証を、野生ニホンザルのブナ及びカヤの種子採食を材料に試みた。その結果、質の高いパッチで長時間、低いパッチで短時間採食する傾向はみられなかった。また、採食バウト内で採食速度が顕著に低下する事例は極めて少なく、これが原因でパッチからの立ち去りが起こったと考えられる事例はまれであった。

(解説)

 1984年はブナ、1985年はカヤが大豊作で、同種パッチ間移動が頻繁に観察されたことを利用して、Charnov (1976)の限界値の定理を野生霊長類を用いて検証を試みた初の研究。しかし結果は残念ながら否定的。

 拙著『食べる速さの生態学-サルたちの採食戦略』(中川、1999)の中で、日本語で紹介しています。

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