中川尚史中川尚史 “ふつう”のサル(の)学研究室

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解説:中川尚史, 中道正之,山田一憲.ニホンザルにおける稀にしか見られない行動に関するアンケート調査結果報告.霊長類研究,2011, 27:111-125.

(解説)

 大阪大学の中道正之さんと山田一憲さんとともに、ニホンザルの稀な行動の情報交換と集約を目的として、日本霊長類学会大会時の自由集会を2度にわたって開催し、同時にメーリグリストを立ち上げた.本稿は第1回自由集会時に参加者を対象に実施した同名のアンケート調査、ならびにその後頂いたアンケートへの回答若干数を加え、集計したその結果報告です。事前にリストアップした36種の行動について、直接観察したことがある場合は○を、観察したことがない場合は×を、はっきりしない場合は△をつけて回答してもらいました。これにより、どの行動が「稀にしか見られない」のかという報告が可能となった。普通なら、ある行動が稀だとか、ないとか言うのは、その行動に関する報告が稀であったり、ないことに依拠しているが、それは決して適当ではないことは分かって頂けるでしょう。その意味で非常に貴重な報告になっており、それが可能になったのは、長年に渡って大勢の研究者がいるニホンザルならではの報告という言い方もできます。

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