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「サル学」の系譜
人とチンパンジーの50年

本の表紙

中村美知夫 著、中公叢書、2015年9月刊行、299ページ、定価1900円(税別)、ISBN978-4-12-004756-5 C1045
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ご案内

 2冊めの著書となります。マハレのチンパンジー研究が50年の節目を迎えるのを機会に霊長類学の誕生から始めて、マハレ以前のアフリカでの類人猿研究、そしてマハレでの50年間の研究史を描きました。

◎2019年京都府立嵯峨野高等学校京都こすもす科の国語の入試問題に使われました。
◎日本経済新聞(2015年10月11日)の書評面で紹介されました。
◎東京新聞 夕刊(2015年10月13日)の松木武彦氏による連載「歴史への冒険―考古学のいま」の中で紹介されました。
◎週刊ポスト2015年11月27日・12月4日号 井上章一氏による書評
◎福岡弁護士会 霧山昴氏による書評
◎霊長類研究 金森朝子氏による書評


目次

まえがき

第一章 チンパンジー研究前史
始まりの場所―幸島/今西錦司―その動物社会へのまなざし/群れ生活者へのこだわり/動物の「カルチュア」/今西のユニークな研究姿勢/私から見た今西/ウマからサルへ/霊長類とは/ニホンザル研究の展開と方法論/日本モンキーセンターの設立
コラム① ントロギ  

第二章 類人猿を追って
今西と伊谷アフリカへ/アフリカの毒/ゴリラからチンパンジーへ/カボゴに基地を建てる/自然人類学研究室の開設/カボゴを捨てカサカティへ/フィラバンガの行列/トングウェとの出会い/伊谷純一郎という人/三つのフィールド、三つの道
コラム② グウェクロ/ファトゥマ  

第三章 黎明期のマハレ
マハレでの調査開始/トングウェの村/試行錯誤/餌づけの成功/集団間関係の解明/単位集団/「コミュニティ」という用語のすり替え/日本での動き/チンパンジーの「挨拶」/道具使用の観察/トングウェの研究/精霊と共に暮らす人びと
コラム③ ンコンボ/ベンベ  

第四章 カジャバラ集団の消失と国立公園の制定
JICAプロジェクト/社会的慣習の発見/雄の「政治的」駆け引き/今西―伊谷論争/伊谷の再反論/カジャバラ集団の消失/K集団の雄たちはM集団に殺害されたのか?/社会生物学の受容/チンパンジーを好きになれなかった研究者/研究トピックの多様化/国立公園に
コラム④ ファナナ/アロフ/アビ  

第五章 研究の深化とントロギ時代の終焉
国立公園化の効果/社会的相互行為の研究/ントロギの時代/ライオンによる捕食/チンパンジーの生物学的位置/「サル学」批判/もうやることは何もない?/ントロギ時代の終焉/謎の大量消失/マハレ野生動物保護協会の設立
コラム⑤ ダーウィン/チェルシー/ターニー  

第六章 「チンパンジー文化」の時代
社会は変わる/臆病だった雌たち/雌の時代/増える新しい研究者たち/植物季節学調査/文化研究の隆盛/文化と知性、そして社会/行動目録の作成/新奇な行動/外来樹種ムジョホロ/頻繁な第一位雄交代
コラム⑥ ミチオ/カルメン/オスカー  

第七章 西田の死と苦難の時代
新規研究者の減少/二〇〇六年の疫病/「社会の学」の復興/西田の死/第一位雄ピムの死/ムトゥンダという男/失われつつある知識/ヒョウはチンパンジーの捕食者か/マハレにおいてヒョウは稀なのか/フィールドワークへの逆風
コラム⑦ キルト/XT一一/オマリ  

第八章 新たな歴史を紡ぐ
人間以外の「歴史」/歴史の偶然性/長期データの活用/雌の共存/絶滅の危機に瀕するチンパンジー/研究者の果たすべき役割/伝統知を保全に活かす/そして未来へ……

あとがき

引用文献

年表

■著作案内■


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