中川尚史中川尚史 “ふつう”のサル(の)学研究室

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解説:中川尚史.オリジナリティーのある研究とは? 霊長類研究,1992,8: 153-157.

(要旨)

 真にオリジナリティーのある研究とは何かについての私見。

 「何某という種の何某という行動」については初めての報告であるという類いの研究は、別の種類で同様の行動についての報告がある限りは真のオリジナリティーのある研究とは言えないとして、自身のある論文(Nakagawa, 1992)を酷評している。

 本稿で主張するオリジナリティーとは、「定量化する上での方法論上のオリジナリティー」とでも言えるものである。あることを明らかにするためには、それにふさわしい種があり、フィールドがあり、行動があり、方法がある。これらをセンスよく選び、工夫することこそが、真のオリジナリティーにつながる。Nakagawa(1989)Nakagawa(1990)はまさにこれにぴったりの例として絶賛している。

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