ヒトとチンパンジーの系統的学位置

 動物の学問的分類は、今から200年以上前、スウェーデンの博物学者リンネによってはじめられた。動物たちの差異を検討し、共通の特徴をもった動物たちを属にまとめ、それぞれの属をさらに目へ、目をさらに綱にまとめてある。
霊長類には約160種あり、まず大きく原猿類と真猿類に分けられる。原猿とはより原始的な形質を残した仲間で、キツネザル、ガラゴ、ロリスなどをふくむ。
真猿類はその他の霊長類であり、さらに広鼻猿類(新世界ザル)と狭鼻猿類(旧世界ザル)の2つに分けられる。
 さらに、狭鼻猿類がオナガザル上科と、ヒト上科に分けられる。ヒト上科は人類を含む系統群で、テナガザル科(小型類人猿)、オランウータン科(大型類人猿)、ヒト科に分類される。
テナガザル科は人類との共通祖先から1600万年から2000万年前に分岐したらしい。その後オランウータン(インドネシア)が分岐し、500万年から1000万年前ごろにゴリラ、チンパンジー、ボノボ(アフリカ)が分岐した。
「サル」というとき、われわれはニホンザルもチンパンジーも含めているが、系統的にいえば、ヒトとチンパンジーの違いは、チンパンジーとニホンザルの違いよりずっと小さいのである。直接の祖先ではないが、最も近い共通の祖先をもっているチンパンジーの社会や行動は、われわれヒトの社会や行動の進化を知る手がかりを与えてくれるはずである。



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