チンパンジーの成長と発達

マハレのチンパンジーの発育段階


【アカンボウ】(0〜4歳)
生まれてから、ほぼ完全に固型食に移行し、離乳するまでの期間。移動時、母親に運搬される。社会的なつき合いはほとんど母親のみに限定される。



【コドモ】(5〜8歳)
大部分の時間を母親の近くで過ごすが、自分で歩き、ベッドも自分で作る。母親に次の子が生まれるころ。次第に社会性をまし、他のコドモなどと頻繁に遊ぶ。



【ワカモノオス】(9〜15歳)

性的に成熟し、射精可能になる。徐々に母親からはなれ、オトナオスと過ごすことが多くなる。オトナオスの近くにいることを許容されるため、頻繁にオトナオスにパントグラントする。順位獲得の行動が現われ始め、メスより優位になろうとする。



【ワカモノメス】(9〜13歳)
母親のそばにいることが多い。発情(性皮の腫れ)が始まる。しかし、まだ完全な大きさではない。また、この時期の交尾は妊娠につながらない。この時期に、他の集団へ移籍する。



【オトナオス】(16歳以上)
最も社会性の強い存在であり、自分の社会的地位を上昇させようとする。そのためのオス同士の協力や葛藤関係があることが、最近の研究で明らかになっている。順位の高いオスは恐れられるので、メスとの交尾がしやすい。しかし、とくに移動の先頭に立ったりというリーダー的な働きはしない。



【オトナメス】(14歳以上)
16歳ぐらいから子どもを産む。出産間隔はマハレで5〜6年。子どもの3分の2ぐらいは死ぬので、一生に残せる子どもの数は2〜3頭。発情していない時期には、自分の子供とのみいっしょに歩くことが多い。



【老年】(33歳以上)
徐々に活動が低下する。歯は摩耗するか折れる。毛はより茶色くなり、特に頭部と腰部の毛が薄くなる。オスは、順位争いから脱落するが、にもかかわらず、他の個体に大事にされる。寿命は40から50歳くらいと考えられている。


All photos by M. Nakamura



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