チンパンジーの食性


photos by K.Hosaka

 マハレのチンパンジーは、非常に多彩な食物レパートリを持っている。現在までに198種の植物、25種の昆虫、5種の鳥あるいはその卵、12種の哺乳類を食べるのが記録されている。このほか、シロアリ塚の土を少量口に入れたり、湖岸や谷底、岸壁の岩をなめたり(写真右上)、蜂蜜をなめるといった行動も見られる。  ただし、チンパンジーの遊動集団の大きさや方向を決定づけているのは、これらの食物のうちのごく限られたものにすぎない。それは、主に甘味や酸味の強い果肉である。例えば、キョウチクトウ科の蔓性植物であるSaba florida、マンゴスチン属の喬木Garcinia huillensis、ウルシ科の喬木Pseudospondias microcarpa、オトギリソウ科の二次林性中木Harungana madagascariensis(写真左上)、数々のイチジク類などの果季においては、チンパンジーが大集団を作り、これらの果実を求めて遊動する傾向が強くなる。



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